冬の北海道でレンタカーが「危ない」「やめとけ」と言われるのは、運転技術の問題ではなく、路面の凍結・ホワイトアウト・日没の早さといった条件が本州とまったく違うからです。
ただし、危険度は雪道の経験・時間帯・行き先によって大きく変わります。
この記事では、「冬 北海道 レンタカー やめとけ」「北海道 雪 やばい」などの怖いキーワードに不安を覚えた方が気になるポイントや、北海道冬のレンタカーの事例や対処法などをまとめました。
最初の危険度判定表で「自分は借りるべきか」の目安を示し、月ごとの違いや、車なしで行けるエリア・車があると便利なエリアまで整理しています。
目次
【危険度判定】冬の北海道でレンタカー運転はできそう?
さっそく、判断基準が欲しい方向けに「自分は冬の北海道の道路を運転できそうかどうか」の表を用意しました。
必ずしも絶対的な安全性を謳った表ではなく、あくまで例ですのでご自身の運転スキルと相談して決定してください。
また、条件が良くても、当日に大雪や暴風雪の予報が出ていれば運転を見送る判断が必要になります。
運転スキル・運転時の状況に対する運転判断の考え方
| 内容 | 運転の危険度 | 評価 |
|---|---|---|
| 免許を取ったばかり、または年に数回しか運転しないペーパードライバーである(雪道経験なし) | 高 | × 車なしでの旅行プランを第一候補に。JR・バス・観光タクシーによる移動で検討する。 |
| 日常生活で運転はするが、雪道の経験はない | 中~高 | △ 市街地・日中・短距離に限定して慎重に検討。峠越え・長距離は公共交通による移動が無難。 |
| スキー旅行などで雪道を運転した経験がある | 中 | △ 行き先・天候・時間帯を見て判断。夜間と吹雪予報の日は避けるのが無難。 |
| 雪道での夜間移動・峠越え・1日200km以上の長距離走行 | 非常に高い | × 経験者でもリスクが上がる。観光区間を分け、部分的に公共交通と組み合わせる。 |
| 出発日に大雪・暴風雪の予報が出ている | 非常に高い | × 経験を問わず運転を控える。旅行プラン変更や公共交通への切り替えを検討。 |
冬の北海道でレンタカーは『やめとけ』と言われる4つの理由

1:見た目では分からない「ブラックアイスバーン」と「ミラーバーン」
実は、冬の北海道で最も怖いのは、雪が積もっている道よりも「雪がないように見える道」です。
北海道庁は、下記のような場所を滑りやすい場所として挙げています。また、凍結路面は夏の乾燥路面の約10倍滑りやすいとも案内しています。
- 交差点の手前
- 横断歩道の手前
- 踏切の手前
- 渋滞の多い道路
- 冷え込んだ日の橋の上
- 樹木や建物の陰
ブラックアイスバーン

アスファルトの表面に薄い氷の膜が張った状態です。路面は黒く濡れているようにしか見えないため、凍結に気付かないまま速度を出してしまいます。
ミラーバーン

車の発進と停止が繰り返されることで、圧雪が磨かれて鏡のようになった路面です。札幌市内など交通量の多い交差点の手前で発生しやすく、「都市部なら安全」とは言い切れない理由になっています。
では、「凍結路面では一体どれくらい止まれないのか?」
JAFが2017年に行ったテストでは、時速40kmから急ブレーキをかけたときの制動距離は次のとおりでした。

スタッドレスタイヤを履いていても、凍結路では時速40kmから止まるまでに約80mかかります。信号の手前でブレーキを踏んでも、交差点の中まで滑り込んでしまう距離です。
2:晴れていても視界がなくなる「ホワイトアウト」

ホワイトアウトは、吹雪や、地面の雪が強風で舞い上がる「地吹雪」によって、前方も路肩も真っ白になり、ほとんど何も見えなくなる現象です。雪が降っていなくても、強風が吹けば地吹雪で発生することがあります。
遮るものが少ない平野部や沿岸部の道路で起きやすく、たとえば次のような区間がよく知られています。
- 石狩湾沿岸(石狩市から増毛方面へ向かう国道231号など)
- 道北の日本海側(オロロンライン沿い)
- 道東の平野部・オホーツク海沿岸(釧路・根室・網走方面)
出発前には、寒地土木研究所の「北の道ナビ」で吹雪の視界予測を、北海道開発局の道路情報で通行規制を確認できます。
3:日没が早く、気象による通行止めが突然起こる

冬の北海道の「日没の早さ」は、本州から来る旅行者が見落としやすいポイントです。冬至前後の日の入りは、札幌で16時過ぎ、釧路・根室など道東では15時台です。北海道庁は、日暮れから翌朝まではスリップ事故が起きやすいとして、できるだけ明るいうちに目的地に着く計画を勧めています。美瑛で15時過ぎまで観光していると、旭川へ戻る頃には日が沈んでいます。
また、吹雪・大雪で突然道路が閉鎖される「気象による通行止め」も旅行プランに大きな影響が出やすく注意が必要です。具体例としては道央自動車道・札樽自動車道などの高速道路、日勝峠(国道274号)・石北峠(国道39号)などの峠道があげられます。
仮に高速道路が通行止めになった場合、並行する一般道に車が集中し、予定よりも大幅に移動時間がかかることがあります。
また、毎年冬の間ずっと道路が閉鎖される季節閉鎖(冬期通行止め)にも要注意です。例えば、知床横断道路(国道334号)は例年11月上旬ごろから4月下旬ごろまで閉鎖されます。
4:事故を起こしたときの費用リスクが高い(NOC・免責)

旅行者に多い冬道でのトラブルは、主に次のようなものです。
- 交差点で止まり切れずに前の車に追突する
- カーブや轍(わだち)でスリップし、路肩や雪山に突っ込む
- 除雪されていない駐車場や路肩でタイヤが空転し、動けなくなる(スタック)
レンタカーで事故を起こすと、修理費の補償とは別にNOC(ノンオペレーションチャージ)がかかります。NOCは、修理中に車を貸し出せない間の営業損失を補うための費用で、大手レンタカー会社では次の金額が一般的です。
自走して返却できた場合:20,000円
自走できずレッカーが必要な場合:50,000円
さらに免責補償制度(CDW)に入っていなければ、車両や対物の免責額も自己負担になります。金額や補償の範囲は会社とプランによって違うため、予約時に必ず確認しましょう。
北海道の運転は何月から危ない?【10月~2月】
「冬の北海道」と一口に言っても、10月と1月では道路の状態がまったく違います。
| 時期 | 道路の状態の目安 | 特に注意したいこと |
|---|---|---|
| 10月 | 札幌など平地はまだ雪がないことが多い。峠・山間部では降雪や凍結が起こり始める | レンタカーが夏タイヤの場合がある。峠越えのルートは要注意 |
| 11月 | 平地でも初雪。昼は乾いた路面、朝晩は凍結と、夏道と冬道が混在する | 「昼間は普通に走れた道」が、翌朝には凍っていることがある |
| 12月 | 平地でも本格的に雪が積もり始める。日没が一年で最も早い | 積雪・早い日没・夕方の再凍結が重なる |
| 1月 | 厳寒期。積雪・凍結・吹雪がそろう | ホワイトアウトや高速道路の通行止めが起こりやすい |
| 2月 | 1月と同様の厳寒期が続く。さっぽろ雪まつりや流氷の時期で観光客が多い | 繁忙期で4WD車やホテルが埋まりやすい。吹雪による予定変更の余地を残す |
【参考:札幌の雪の目安】札幌管区気象台の観測では、札幌の初雪は例年10月下旬ごろ、長く積雪が続き始める(根雪になる)のは例年12月上旬ごろです。年によって早い・遅いがあります。
10〜11月に旅行する人が確認したいこと
特に見落とされやすいのが、10〜11月の「平地に雪はないのに、峠や早朝は冬道」という時期です。
北海道のレンタカーでスタッドレスタイヤが標準装備になるのは、例年11月上旬ごろから4月下旬ごろが目安です(地域・会社によって異なります)。
10月や11月初めに借りる場合は、予約時にタイヤの種類を確認し、夏タイヤなら峠越えのあるルートは避ける、またはスタッドレス装着車を指定できる会社を選ぶようにしましょう。
目的地別|車なしで行けるエリア、レンタカーが必要なエリア
旅の目的地は車なしで行ける?
北海道の主要観光地(区間・エリア)別でレンタカー運転の難易度や、観光地を巡るためのレンタカー利用(車移動)の必要性などをまとめました。
| 区間・エリア | 冬道の難易度 | レンタカーの必要性 | 理由・注意点 |
|---|---|---|---|
| 新千歳空港〜札幌 | 低 | 低 | 快速エアポートで約40分。札幌市内は駐車場代もかかり、交差点のミラーバーンにも注意が必要 |
| 札幌〜小樽 | 低 | 低 | JRで約30〜50分。小樽市街は坂道が多く、冬は運転しにくい |
| 札幌〜旭川 | 中 | 低 | 特急で約1時間25分〜で移動可能。道央道は吹雪で通行止めになることがある |
| 旭川〜美瑛・富良野 | 中 | 中 | 主要な場所にはJR・路線バスで行けるが、丘めぐりは車があると便利。丘陵地は地吹雪が起こりやすいので注意 |
| 札幌〜ニセコ | 中〜高 | 低〜中 | 中山峠(国道230号)などの峠越えがある。スキーシーズンは空港・札幌からリゾートバスが出る |
| 札幌〜帯広 | 高 | 低 | 日勝峠(国道274号)や道東道の通行止めリスクあり。特急で約2時間40分〜で移動可能 |
| 旭川〜網走 | 高 | 低 | 石北峠(国道39号)越え。特急大雪・オホーツクで移動可能 |
| 道東の平野部(釧路・根室・網走・知床) | 高 | 現地では中 | 日没が最も早く、地吹雪が起こりやすい。都市間はJR、現地は日中のみの利用を検討 |
| 道北(留萌〜稚内のオロロンラインなど) | 高 | 現地では中 | 日本海からの強風を遮るものが少なく、地吹雪が起こりやすい |
北海道旅行の定番プランで車は必要?

「車があると便利」と「レンタカーを借りるべき」は同じではありません。
札幌・小樽・旭川を中心に回る旅行なら、車なしのほうが移動も観光もスムーズです。
一方で、美瑛の丘めぐりや道東の湖など、公共交通では行きにくい場所を回りたい場合は、その区間だけ日中に車を使うのが、便利さと安全のバランスを取りやすい方法です。
実際の旅行は「区間」ではなく「プラン」で考えるものです。冬によく選ばれるプランごとに、車移動の必要性を整理しました。
大雪などの悪天候時は、JRも運休することがあるので、帰りの飛行機の前日は札幌・千歳周辺に泊まると安心です。
新千歳空港 → 札幌 → 小樽
JR利用で十分に成立します。新千歳空港〜札幌〜小樽は快速エアポートなどで1本につながっており、レンタカーを借りる必要性は低いプランです。むしろ札幌・小樽の市街地は駐車場探しと交差点の凍結が負担になります。
札幌 → 旭川 → 旭山動物園
JR+路線バスで成立します。札幌から旭川までは特急ライラック・カムイ、旭川駅から旭山動物園までは路線バスで約40分です。
旭川 → 美瑛 → 白金 青い池
公共交通だけだと制約が出始めるプランです。 JR富良野線で美瑛までは行けますが、青い池や丘めぐりはバスの本数が限られます。
路線バス、観光タクシー、日中だけのレンタカーを比べて移動手段を選びましょう。運転するなら、日没前に宿に戻る計画が前提です。
新千歳空港 → ニセコ
冬道に慣れていないならリゾートバスが有力です。 スキーシーズンは、空港や札幌市内からニセコ方面への直行バスが運行されています。峠越えや悪天候の運転をせずに済みます。
札幌 → 知床・網走
「札幌からレンタカーで一気に」は避けたいプランです。 札幌から知床までは長距離で、峠越えもあり、冬は日没までに走り切るのが難しくなります。
飛行機で女満別空港や中標津空港へ入る、またはJR特急で網走まで行くなど、都市間の移動を任せたうえで、現地で日中だけ車やバスを使う組み立てを検討しましょう。
札幌 → 釧路 → 阿寒湖・摩周湖
都市間はJR、現地は組み合わせ利用がおすすめです。 札幌〜釧路の移動は特急おおぞらで約4時間〜。釧路から阿寒湖温泉へは路線バスがあります。摩周湖や屈斜路湖まで足を延ばすなら、観光タクシーや日中だけのレンタカーが選択肢になります。
冬にレンタカーを借りるならこのポイントを要チェック

予約時にこのつを必ず確認!
- スタッドレスタイヤ:冬期は標準装備の会社が多いものの、10月や11月初めは夏タイヤの場合があります。予約画面や店舗で装着の有無を確認します。受け取り時にタイヤの溝も見ておきましょう。
- 4WD(四輪駆動):4WDは発進や坂道、雪にはまった状態からの脱出に強い一方で、止まる性能は2WDと変わりません。冬の繁忙期は4WD車から埋まりやすいため、早めに予約します。
- 免責補償(CDW)とNOC補償:冬道ではちょっとした接触も起こりやすいため、両方に加入しておくと、事故時の自己負担を抑えられます。補償の名称・料金・範囲は会社ごとに違うので、内容を確認して選びます。
- ロードサービス:雪にはまったときの引き上げなどが補償に含まれるか、緊急時の連絡先はどこかを確認します。
出発前・出発当日に確認すること
- 天気と道路情報:「北の道ナビ」(吹雪の視界予測)、北海道開発局の道路情報、NEXCO東日本の「ドラとら」(高速道路の規制)
- 到着時刻:日没(札幌で16時過ぎ、道東は15時台)までに宿に着く計画になっているか
- 車内の装備:スノーブラシ、スコップの用意があると安心です。北海道庁は、スノーヘルパー、ブースターケーブル、牽引ロープなどの準備も呼びかけています
- 行き先と到着予定時刻を家族などに伝える:北海道庁も推奨している、万が一の準備です。
冬道の運転時に守りたい基本
北海道庁が公式に案内している冬道運転のポイントは、次のとおりです。
- 車間距離は夏場の3倍以上をとる
- 早めのブレーキとエンジンブレーキで十分に減速する
- ブレーキは柔らかく踏み込み、タイヤをロックさせない
- 強いブレーキでABSが作動したら、ペダルが振動してもブレーキを踏み続けてハンドル操作をする
- 橋の上やトンネルの出入り口付近では速度を落とし、ハンドルをしっかり握る
雪道の運転操作は車種や路面の状態によっても変わります。不安がある場合は、レンタカーの受け取り時に、その車の4WDの仕組みやパーキングブレーキの扱いをスタッフに確認しておくと安心です。
【慌てないために】ホワイトアウト・立ち往生・事故に遭遇したら

ホワイトアウトに遭遇したら
- ヘッドライトをロービームで点灯する。ハイビームは雪に光が反射して、かえって見えにくくなります。併せてフォグランプも点灯します。
- 車間距離を普段より長くとる
- 駐車場やコンビニ、道の駅などに速やかに退避する。退避できない場合は、ハザードランプを点けて左に寄せて停止し、発炎筒で周囲に知らせる
(JAFの案内より)
雪で立ち往生したら
- マフラー(排気口)の周りの雪をこまめに取り除く。マフラーが雪で塞がると、排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒になる危険があります。JAFのテストでは、マフラーが塞がれた状態で、1時間足らずで一酸化炭素濃度が危険な水準に達しています
- エンジンをかけたまま待つ場合は、定期的に窓を開けて換気し、眠り込まないようにする
- 自力で出られないときは、JAF(#8139)またはレンタカー会社のロードサービスに連絡します。レンタカー会社の緊急連絡先は、貸渡証(契約書)などに書かれています
事故を起こしたら
- ハザードランプを点け、可能なら安全な場所に車を移動する
- けが人がいれば119番。どんな小さな事故でも110番で警察に届け出る(届け出がないと保険・補償が使えない場合があります)
- レンタカー会社に連絡し、指示に従う。自走できるかどうかでNOCの額が変わるため、自己判断で走り出さない
道路の異常を見つけたら
路面の穴や落下物、なだれなどを見つけたときは、道路緊急ダイヤル(#9910)に通報しましょう。
まとめ:運転経験・時期・行き先の3つで移動手段を決めよう
冬の北海道でレンタカーを借りるかどうかは、次の3つで考えると判断しやすくなります。
| 判断軸 | レンタカーを検討しやすい条件 | 公共交通を優先したい条件 |
|---|---|---|
| 運転経験 | 雪道の運転経験がある | ペーパードライバー、雪道の経験がない |
| 時期・天候 | 出発日の天候が晴天など安定している | 大雪・暴風雪の予報が出ている、10〜11月に夏タイヤで峠を越える |
| 行き先(距離)・時間帯 | 日中に移動が終わる短い区間 | 夜間の移動、峠越え、長距離 |
レンタカーを借りる場合
- スタッドレスタイヤ(10〜11月は特に確認)と4WDを予約時に指定する
- 免責補償(CDW)とNOC補償の内容を確認して加入する
- 出発前に「北の道ナビ」「ドラとら」で吹雪と通行止めの情報を確認する
- 日没前に宿に着く計画にし、車間距離は夏場の3倍以上をとる
- JAF(#8139)とレンタカー会社の緊急連絡先をスマートフォンに登録しておく
車なしで回る場合
- 都市間はJR特急(札幌〜旭川・釧路・帯広・函館・網走など)
- 観光地へは路線バス・定期観光バス・宿の送迎バス
- 点在する景勝地は観光タクシー
- どうしても車が必要な区間だけ、現地で日中だけレンタカー
無事に家に帰るまでが旅行です。まずこの記事の危険度判定表で自分の条件を確かめ、「車で行く区間」と「公共交通に任せる区間」を決めてから、宿と交通の予約を検討してみてください。
参考にした公式情報
- 北海道庁「冬道の安全運転」「冬季の交通安全」
- 北海道開発局「冬道運転・なだれ対策」
- JAF「雪道でのタイヤ別制動距離テスト(2017年)」、JAFメイト「ホワイトアウトに遭遇したら」
- 札幌管区気象台「雪・霜・氷の観測」
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